私の行っていた日本人学校では
小学4年(?たしか小4か小5)から中学3年まで、夏になると夏季学校があった。
毎年行くところは同じで、グロミッツというバルト海沿いの町。
そこで4日ほど、自分の好きなことについて調べてまとめる学習というわけ。
まあそれは表向きで、
実際は好き勝手に遊んで(しかも夏休みに入る前)、
勉強から離れて生活するただのヴァカンスのようなもの。
私はこの夏季学校が大嫌いだった。
縦割りの班で泊まることになり、上級生たちは好き勝手に悪口を言いちらかし、
みんな日本に恋焦がれてばかりいて。
なんて醜いんだろうとそればかり感じていた。
ただ、私はこのグロミッツという町は気に入っていた。
私たちの泊まるテント村の前にはサーカスが来ていて、うらやましかった。
バルト海の周りには美しい花を植えた小さく乾いた家がたくさんあり、
1時間ほど歩くと、潮のにおいのする、かわいい街が広がっていた。
私は夏にしかあそこへ行ったことがないが、
冬はたぶん、寒いのだろう。海沿いだし。
そして空気は乾いて、空は雲って、たぶん、私が憧れて、でもなれなかったものなのだ。
生きる意味は死ぬことだと思ったけど、
私ぜったい死ぬために生きる。死ぬために勉強して、死ぬために成功する。
ぜったいにやる。
だから、まず高校に受かってみせる。
そしていつか、グロミッツで死ぬ。
それが私の生きる希望。